2016年11月29日火曜日

ニキビの治療について

ニキビ(ざ瘡)の治療ガイドラインが日本皮膚科学会より改定されました。
今回の改定の大きなポイントは
「抗菌剤に頼らない」
ということだと思います。
ニキビの病態はかなりわかってきましたが、
大きく分けると二つの病態から成ります。
1. 毛穴の炎症
2. 毛穴のつまり
です。
毛穴の炎症を抑えるために抗菌剤を使用してきましたが、
本質的には、毛穴がつまっていることが原因ですので、
できれば、毛穴のつまりを抑えていくことが重要です。
ただ、以前はそのような薬は存在しませんでしたので、
どうしても抗菌剤しか使用するものがありませんでした。
しかし、現在では、
ディフェリンという薬のほか、ベピオ、デュアック
といったものが毛穴のつまりを改善する薬剤として存在します。
これらをうまく使っていくことがニキビ治療の本質と考えますし、
最終的には、ニキビができにくい皮膚にしていくということになります。
では、最初からそれらの薬を使えばいいのではないかと疑問を持たれると思います。
その通りなのですが、
これらの毛穴のつまりを抑える薬は、
皮膚が乾燥しやすくなったり、赤くなったりすることがあるので
処方する方も使う方も、消極的になってしまうことがあるんですね。
ただ、これらをうまく使わないと抗菌剤に頼るという選択肢しかありませんし、
その結果、長期的には耐性菌を作ってしまうことになります。
そうなると、抗菌剤までもが効かなくなってしまい、さらに使える薬がなくなってしまいますね。
できれば、うまく、毛穴のつまりに対して対応していきたいと考えます。


2016年8月22日月曜日

家庭医学講座

札幌市医師会主催の市民向け医学講座で
講演をさせていただきます。
よろしければ是非お越しください。

日時: 8月27日(土) 13:30~
場所:札幌市医師会館5階大ホール
   (札幌市中央区大通西19丁目)
テーマ:増やさないぞ、シワ、シミ、見つけよう皮膚癌! ~皮膚の老化と予防~


詳しくはこちら

2016年6月14日火曜日

ザガーロ

男性型脱毛症の新しい治療薬、ザガーロが2016年6月13日に発売されました。
男性型脱毛症では、
ジヒドロテストステロン(DHT)などの関与によりヘアサイクルの成長期が短縮し、
硬毛が軟毛化することで薄毛が徐々に進行します。
テストステロンをDHTへ変換する酵素は1型及び2型があります。
これらの酵素を阻害することで, DHTの濃度を低下させ、
ヘアサイクルの正常化を促進し、毛髪数を増加させることができます。


プロペシア(フィナステリド)は2型のみを阻害しましたが、
ザガーロは1型及び2型を阻害することにより、
プロペシアよりも高い発毛効果を示します。
プロペシアである程度の効果を実感されている方もさらに期待を持てると思います。



自由診療ですが
当院では
9000円 (30錠) (税別)
でのご提供になります。





2016年4月15日金曜日

乾癬について

乾癬とは、刺激の受けやすい部位(頭部、肘、膝など)に赤くなったり、
カサカサしてくる皮膚の状態です。
かゆみを伴うこともあります。
関節炎を伴うこともあります。
原因は、皮膚の角化異常と呼ばれるものと免疫異常によるとされています。
皮膚の表面にある細胞は通常45日の周期で生まれ変わり剥げ落ちますが、
乾癬では
その周期が7日程度と極端に短縮しています。
このことで皮膚が厚くなると言われています。
このことを角化異常と呼んでいます。
免疫異常の原因も徐々に解明が進んでおり、
より特異的な治療が進んでいます。
治療には、様々ありますが、
ここ数年で非常に治療の選択肢が増えた領域と言えます。
従来よりステロイド外用剤及びビタミンD3外用剤が使われていましたが、
使い方については
様々な議論がありました。
最近になり、その合剤が使用できるようになりました。
薬剤の安定性及び1日1回の外用でいいという利便性より
有益と考えられます。
ナローバンドuvbを使用した光線療法も非常に有効です。
全身照射により著明に改善する場合もあります。
その他、チガソン、ネオーラル等の内服や
生物学的製剤など
乾癬の治療は飛躍的に変化しています。
今後もより特異的な生物学的製剤が日本でも使用できるようになる見込みですので
期待したいですね。


2016年3月24日木曜日

アトピー性皮膚炎におけるナローバンドuvb療法について

アトピー性皮膚炎は、バリア機能障害及びアレルギー的影響により
皮膚に炎症を生じる状態です。
炎症に対しては、
ステロイド外用剤を使用しながらコントロールすることが重要ですが、
中々難しい場合もあります。
外用方法についても様々で、
従来通り、
症状に応じて、
ステロイドの強さや外用範囲を適切に管理しながら
対応する場合もありますし、
最近ではプロアクティブ療法と呼ばれる方法もあり
比較的順調に、コントロールされる方も増えてきております。
しかし、
ある程度、炎症が落ち着いても
なんとなく少しなんだけど、
どことなくかゆみが続いている場合もあります。
このような状態に
ナローバンドuvb療法は効果的と考えます。
以前より、大学病院などでは、
皮膚の炎症に対して行われていた方法ですが、
クリニックレベルでは行われていないことが多いようです。
週1、2回の照射からスタートすることをお勧めしますが、
ご都合や症状に合わせて対応可能です。
もちろん保険適応の治療です。
ナローバンドuvb療法についてはこちら





2016年3月1日火曜日

加齢にともなう皮膚の病気

3月10日に
「加齢にともなう皮膚の病気」
と題して講演をさせていただきます。
お時間のある方は是非、お越しください

日時:3月10日(木)
   午後1時30分から
場所:札幌市中央保健センター2階講堂
   (札幌市中央区南3条西11丁目)
お申し込み:3月9日までの9:00~17:00までにお電話でお申し込みください
   511-7223