2014年5月28日水曜日

紫外線について

紫外線に関する認識は、
数十年前とは比べ物にならないくらいに変化していると思います。
私が小さい頃には
(もうかなり前になってしまいましたが)
日焼けは健康的というイメージがあったと思います。
実際、小学校の夏休みあけには、
一番日焼けをしていた子どもは
クラスで表彰されたりもしていました。
しかし、今では紫外線が皮膚にとって
悪であるという認識が定着してきましたね。
紫外線が皮膚にとって、よくない理由は多くありますが、
ここでは2つの点について絞ってご説明したいと思います。
一つは皮膚癌との関係です。
皮膚癌と紫外線の関連が言われているものとして
悪性黒色腫
というものと
有棘細胞癌
というものがあります。
悪性黒色腫は非常に悪性度が高いのですが、
紫外線との関係で言うと、
幼少期に強い日焼けをするのがよくない
とされています。
有棘細胞癌では、
蓄積性の紫外線暴露が関与していると
言われていますので、
日頃からの紫外線対策が重要ということになりますね。
もう一つ紫外線で重要な点は
光老化についてです。
紫外線を長く浴びていると
しわしみが生じてきます。
具体的には
コラーゲンの変性や
メラニンの不規則な分布と増加によります。
これらは、
紫外線により生じる活性酸素が関与しています。
ですので、
抗酸化作用を有するものによって
治療あるいは予防をすることが
非常に重要になるのですね。
当院では、サンスクリーン剤による予防、
抗酸化作用を有するオリジナルコスメおよびサプリメントから
点滴療法まで、幅広く対応したいと考えておりますので
お気軽に御相談ください。


2014年5月21日水曜日

口腔アレルギー症候群について

口腔アレルギー症候群をご存知でしょうか
ある果物や野菜を食べると、
唇やのどの奥がかゆくなったり腫れたりします。
じんましんが出たり、
目や鼻の花粉様の症状や、
吐き気、腹痛や下痢、喘息の発作を起こしたり、
最悪の場合は、
アナフィラキシーを起こして救急車で病院に駆け込む場合もあります。
原因として多いのは、
モモ、リンゴ、ナシ、サクランボ、イチゴ
などのバラ科の果物、
メロン、スイカ
などウリ科の食物
キウイ、バナナ、トマト、ジャガイモ
などが多いとされています。
注目すべきは、
これらの食物とシラカバが共通抗原を有しているということです。
つまり、
シラカバアレルギーがあると
口腔アレルギー症候群を生じる可能性があるということですね。
シラカバ花粉の季節ですが、
のどの`いがいが`が気になる方はぜひ御相談ください

2014年5月15日木曜日

アトピー性皮膚炎における

TARC (Thymus and Activation-Regulated Chemokine)について

アトピー性皮膚炎は、全身の湿疹を引き起こす代表的な疾患ですね。
ホームページの本文でも書かせて頂きましたが、
大きく
  1. バリア機能障害
  2. アレルギー異常
が関与していると言われています。
重症度や、病勢を評価するのは、
皮膚科医による視診、触診が重要であるのは
言うまでもないのですが、
血液検査によってある程度客観的に判定することが出来ます。
実際に診療していると、重症の患者さんであっても
ご自分では毎日つきあっている皮膚なので、
どの程度悪いのかは、
客観的に判断がつかなくなっている方が多いような気がします。
そこで知って頂きたいのが、
TARC
という検査です。
一般的な血液検査と同様に調べることができます。
かなり鋭敏にアトピー性皮膚炎の病勢を反映しますので、
もう治っていて保湿剤だけでいいと思っている方でも
実は数値では、まだ治っていないということが分かる場合もあります。
アトピー性皮膚炎で重要なことは、
炎症が残っていてステロイドによる治療の必要があるのか
あるいは
もう炎症は落ち着いているので保湿剤による予防でいいのか
の判断を正しく行っていくことです。
治療と予防を明確に分けることが重要です。
必要もないのに漫然とステロイドを使用することのないように
定期的にTARCにより確認することをお勧めします。

2014年5月4日日曜日

ハイドロキノンについて

ハイドロキノンとは?
イチゴやブルーベリー、コーヒーなどにも含まれる物質で、皮膚を紫外線などによる損傷から守る作用を持っています。米国では医薬品としてその美白効果が認められ、古くから一般的な美白剤として使用されてきました。日本においても、しみに対する多くの論文が報告されています。

ハイドロキノンの働き
 しみのもとになるメラニンはメラノサイトという細胞で作られています。
 紫外線などの刺激を受けるとメラニンは過剰に作られます。
 ハイドロキノンは
  1. メラニンが作られるのを抑えます。 
  2. メラノサイトの活動を弱めます。
この2つの働きにより、しみに対する効果を発揮します。

ハイドロキノンを使用する際の注意点
  1. 赤みがでたり、刺激を感じた場合にはすぐに使用を中止して、御相談ください
  2. 必ず日焼け止めをご使用ください。使用しないとかえってしみが濃くなる場合もあります。
当院のハイドロキノンは、院内で製造しているオリジナルコスメです。
ビタミンC配合のため優れた美白効果を発揮します


2014年5月2日金曜日

エキシマライト(ナローバンド紫外線療法)

さまざまな皮膚疾患に対し、
以前より
紫外線を用いた治療は行われていました。
紫外線の感受性を高めるために
飲み薬(オクソラレン)を内服後に、
UVA波と呼ばれる紫外線を照射したり、
同様の成分を塗り、
紫外線を照射する治療も行われていました。
PUVA(プーバ)療法と呼ばれています。
より波長の短いUVBと呼ばれる紫外線を照射する治療も
以前から行われていましたが、
最近では、
より狭い範囲の波長の紫外線のみを集中的に照射する
ナローバンドUVB療法というのが主流となりつつあります。
当院ではエキシマライト(セラビームUV308)
という装置を使用して
ナローバンドUVB療法を行っています。
主な適応疾患は
アトピー性皮膚炎、
尋常性乾癬、
掌蹠膿疱症、
尋常性白斑です。
なかなかよくならない
炎症性の皮膚疾患の
切り札として期待されます。
保険適応ですので、
3割負担の方で
1回1000円程度です。
紫外線は過照射するとやけどを起こしてしまいます。
最初は安全性を優先し、
少ない照射量からスタートします。
やけどが起こらないことを確認しながら、
照射量を増やしていきます。
週に1、2度のペースで照射し、
20回程度必要になる場合もあります。
難治性の手湿疹にも効果的です。
かゆみにも効果がありますので、
ぜひ御相談ください