ニキビ(ざ瘡)の治療ガイドラインが日本皮膚科学会より改定されました。
今回の改定の大きなポイントは
「抗菌剤に頼らない」
ということだと思います。
ニキビの病態はかなりわかってきましたが、
大きく分けると二つの病態から成ります。
1. 毛穴の炎症
2. 毛穴のつまり
です。
毛穴の炎症を抑えるために抗菌剤を使用してきましたが、
本質的には、毛穴がつまっていることが原因ですので、
できれば、毛穴のつまりを抑えていくことが重要です。
ただ、以前はそのような薬は存在しませんでしたので、
どうしても抗菌剤しか使用するものがありませんでした。
しかし、現在では、
ディフェリンという薬のほか、ベピオ、デュアック
といったものが毛穴のつまりを改善する薬剤として存在します。
これらをうまく使っていくことがニキビ治療の本質と考えますし、
最終的には、ニキビができにくい皮膚にしていくということになります。
では、最初からそれらの薬を使えばいいのではないかと疑問を持たれると思います。
その通りなのですが、
これらの毛穴のつまりを抑える薬は、
皮膚が乾燥しやすくなったり、赤くなったりすることがあるので
処方する方も使う方も、消極的になってしまうことがあるんですね。
ただ、これらをうまく使わないと抗菌剤に頼るという選択肢しかありませんし、
その結果、長期的には耐性菌を作ってしまうことになります。
そうなると、抗菌剤までもが効かなくなってしまい、さらに使える薬がなくなってしまいますね。
できれば、うまく、毛穴のつまりに対して対応していきたいと考えます。