紫外線の皮膚に対する影響は、ビタミンDの生合成を除くと、
ほとんどが傷害作用です。
急性に大量に暴露されると
サンバーンとよばれる現象を起こし、後に
サンタンとよばれる現象を引き起こします。
サンバーンは、最小紅斑量とよばれる一定の紫外線量を超える紫外線暴露により
引き起こされ、通常4時間後頃より赤くなる現象です。
24時間後にピークをむかえ、軽度であればひりひりする程度ですが、
大量に急激に暴露されると、灼熱感や、水疱を生じたりもします。
赤み(紅斑とよばれる)は3日間程度で引きますが、
それに引き続いて一種の防御機序であるサンタン(色素沈着)が生じます。
紫外線の慢性あるいは蓄積性の傷害としては、
皮膚がんの発生がありますが、
ここでは急性の傷害についてお話します。
先のサンバーン(赤み)の治療については、
いろいろと行われますが、
いわゆるエビデンスレベルの高い治療というのは、あまり存在しないようです。
一般的に行われるステロイドの外用や内服ですら、
論文レベルでは、あまり高いエビデンスがありません。
(効果がないとする論文もあります)
むしろNSAIDs とよばれる炎症を抑えるお薬(ボルタレンやロキソニンなど)
の方が、自覚症状の軽減に役立つという報告もあるようです。
ただ、経験的に、ステロイドの使用は効果があると思いますので、
ひどい日焼けをしてしまった場合は、
早めに受診するようにしてください。
くれぐれも予防が最も大事ですので、
海に行くときなどは、
日焼け止めをしっかり塗るように心がけてください