2024年10月15日火曜日

手湿疹、異汗性湿疹について


手に生じる湿疹性病変を手湿疹と呼びます。

アトピー素因が背景にあることもあります。

なかなか、治りにくい場合もあります。

治療としてはステロイド外用が基本にはなるのですが

治りにくい場合には紫外線療法を追加したりして対応します。

また、原因検索も重要と考えます。

血液検査やパッチテストにより可能な限り、原因を検索し

必要に応じ、アレルゲンを除去し、対応します。

昨今ではシラカバアレルギーをお持ちの方で、

バラ科の植物に交差反応を示すことで、シャンプー等、日常的に使用するものにかぶれている場合もあります。


また、夏に悪化しやすく、

汗の影響で手のひらに痒みの強い湿疹を生じることがあり、

異汗性湿疹と呼ばれるものもあります。

こちらも難治性ですが

紫外線治療、シクロスポリン内服、デュピルマブ等により改善する場合もありますので

お気軽にご相談ください。


2024年9月12日木曜日

肌質診断機について

 

当院では、美容施術を受けられる方に、

肌質診断機 visa により、肌の状態を確認しております。

(施術を受けられる方は無料です)

施術前、施術後の肌の変化を客観的に評価できます。

毎日、見ていると、意外とご自分では変化に気がつかないこともあるのですが

写真で見ると一目瞭然ですね。

シミ、しわ、毛穴など評価項目を数値化もできますので

ご相談いただければと思います。






2024年8月29日木曜日

シミの種類について

 

いわゆる顔のシミとよばれるものにもいくつか種類があります

  1. 老人性色素斑
    いわゆるシミです。
    点々と茶色い色素斑が複数見られるものです
    手入れをしないと徐々に濃くなり、数も増えていきます
  2. そばかす
    比較的小さく、薄いものが、散らばったようなものです。
    遺伝的要素が強く、思春期以降に増え目立つようになってきます。
    日焼けや妊娠などでも悪化します。
  3. 肝斑
    目の下に出やすいものですが、くすんだようにべたっと茶色くなってきます
    30代頃より生じやすくなってきます
    ホルモンバランスの影響や紫外線が増悪因子です
  4. 炎症後色素沈着
    湿疹やニキビ、擦った後に炎症が肌に残ってしまう症状です。
    原因となる状態のケアが重要になります。
    レーザにより悪化することもありますので、適切な診断が重要になります。
  5. 脂漏性角化症
    先の老人性色素斑が進行した状態です。
    老人性色素斑は、紫外線に対する生態防御反応で、
    いわば、黒い日傘をさしている状態なのですが、
    さらに強い日差しを浴びると日傘の厚みを増して、守ろうとします。
    結果として、シミが厚みを増してしまう状態です。


以上の診断により適正な治療がございます。

お気軽にご相談ください。


2024年8月26日月曜日

アトピー性皮膚炎の治療の進化について

 

ここ数年のアトピー性皮膚炎の治療の進化は凄まじいものがあります。

以前だとある程度、諦めるというか、受け入れなければならなかった慢性の皮膚炎ですが

現在では多くの重症患者さんでも治療により症状がほぼない状態(寛解と専門的に言います)を

達成できるようになってきました。

2018年に注射剤であるデュピルマブが発売され、大きなパラダイムシフトが起こりました。

その後も内服薬であるJAK阻害薬の出現、

外用薬でも数種類発売されております。

今後もさらに新薬の出現が続くそうです。

それぞれの薬剤の特性をうまく利用しながら、ステロイド一辺倒だった時代から

変化を遂げてきていると思います。

いい時代になってきたのは間違い無いですが、

ちょっと、時代の変化が早すぎて、整理する必要もありそうです。

当院では、患者さんお一人お一人にとってベストな方法をご提案したいと思っております。

もちろん、ベストな方法は唯一では無いと思いますので、

様々なことを勘案しながら、ご提案したいと思っております。



2024年8月17日土曜日

ニキビ治療について

 ニキビ治療は保険診療と自由診療があり、当院ではいずれも対応しております。

よく、自由診療が目につきやすいと思いますが、

実はニキビ治療の中心は保険診療です。

すでに多くの薬剤を試された方も多いと思いますので

保険ではもう無理、と思われている方もいらっしゃると思います。

確かに、ある程度進行した状態だとレーザー等が必要になることもありますが

あくまでも基本は保険診療ということをお伝えしたいと思います。

特に塗り薬が重要です。

ニキビの根本を治す薬剤の主成分は2つしかありません。

過酸化ベンゾイル(べピオ、デュアック)

アダパレン(ディフェリン)です

これらをどのように使うかが重要になります。

いずれの薬剤も乾燥しやすかったり、刺激があります。

ただ、それらを工夫しながら使用することで

ニキビを治すだけではなく、ニキビになりにくくしていくことができます。

もう一つ重要なことは使う量です。

たくさん塗ったほうが効くのですが、

そうすることで乾燥や刺激を生じやすいことがあります。

実際にどのくらい塗っているかを確認することが重要です。

当院では毎回、使った量を確認させていただいております。

多少、面倒かもしれないのですが細かい作業を繰り返していくことが重要です。

それでもうまくコントロールできない場合、

IPLや種々のレーザーがありますので、ご提案させていただいております。

なかなか、治らなくて悩んでいらっしゃる方も多いと思いますので

お気軽にご相談ください


2024年8月16日金曜日

粉瘤について

粉瘤とは皮膚の下に袋状の嚢腫ができ、
その中に垢(ケラチン)などがたまってしまうものです。
よく脂肪の塊と思われている場合がありますが、実際は垢がたまっています。
袋の中には垢がどんどんたまっていきますので徐々に大きくなってきます。
化膿してしまうと痛みを伴なうこともありますし、
破裂してしまうこともあるので、注意が必要です。
当院では積極的に粉瘤の治療を行なっております。
炎症を起こしていなければ袋ごと取り出す手術を行います。
通常、予約手術になります。
平日のお昼時間に毎日行っております。
10日後程度で抜糸になります。
3割負担で通常15000円程度の費用ご負担です。
また、巨大な場合や顔など、特殊な部位の場合は、
市立病院や提携している形成外科をご紹介をすることもあります。
粉瘤は時に炎症を生じてしまうことがあります。
往々にして、そのようになってから受診される方も多いです。
この場合は、速やかに切開する必要があります。
受診日に緊急で対応しますので、腫れて痛みがあるような場合には
お気軽にお越しください。
ただ、かなり巨大で出血のリスクがある場合は、
稀ですが市立病院等にご紹介させていただくこともありますので
ご了承ください。

2024年8月14日水曜日

10年を振り返って

 お久しぶりの投稿となりました。

おかげさまで、2024年4月を持ちまして、開業10年を迎えました。

あっという間という感じもありましたが、思い起こすと様々なことがあったなとも感じています。

10年前は色々な意味で時代も違ったなと思うところもございます。

皮膚科診療においても様々なことが進化してきました。

特にアトピー性皮膚炎における治療の変遷はこの10年で大きかったと言えると思います。

デュピルマブ等の生物学的製材、JAK阻害薬等の分子標的薬の出現は

重症のアトピー性皮膚炎の患者さんに対して、大きな可能性を与えてくれました。

シミや、ニキビ(痕)に対する自由診療も変化(進化)していると思います。

これまでだとある程度諦めざるを得ない領域に対しても様々なことができるようになってきました。

それらに対応しながらやってきましたが、

これからも日々、勉強を続けなければ、差がついていく時代になってきたなと実感しております。

そのような折に、副院長として澤田医師を迎えることができました。

大学病院での実績を踏まえ、高度な医療を地域の皆さんにご提供したいという思いで

当院に加わってくださいました。

私(米田)のみでは対応できなかったことに対しても

高いレベルで医療を提供していくことができると思いますし、

2人となることで、お互いに切磋琢磨することで相乗効果もあると期待しています。

これからも桑園で唯一の皮膚科専門医2名体制皮膚科として

地域に貢献していきたいと思っておりますので

よろしくお願い申し上げます。

皮膚疾患も多岐に渡りますが、2名で可能な限りの範囲を対応したいと思っております。

粉瘤等の手術、シミのレーザー治療等、ニキビ、ニキビ痕の対応、

ホクロ除去等、できないこともありますが、可能な限り対応したいと思っておりますし、

対応できない場合は、患者さんにとってベストな方法をご提案したいと考えています。

市立札幌病院は目の前にあり、良好な連携体制を取らせていただいておりますし、

北大病院、札幌医大病院とも、スムーズな連携を取らせていただいております。

これからも多くの患者さんに最良の医療を提供したいと考えておりますので

よろしくお願い申し上げます。